作者紹介 銀林みのる東京学芸大学国語科中退。
1994年、 「鉄塔 武蔵野線」で、第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞。
秋には軽井沢を舞台とした小説第二作『国境平』を発表予定。
自分でも残念なのですが、鉄塔を好きになった直接のきっかけは、はっきり憶えていないんです。
幼稚園に入る前、私は父と一緒に電車に乗りに行くという毎週日曜日の楽しみがあったのですが、
外の景色を熱心に見ているうちに、いつしか鉄塔を意識するようになったのだと思います。
窓から見える鉄塔の形や、鉄塔が立っている場所の様子を、私はヴィデオ・テープのように暗記して
しまいました。
見晴君は黙っていても表情が絵になりますし、アップになったときは最高です。
アキラ君はとても可愛くて、呟くような台詞の言い回しに味があります。
いいキャスティングですよね。私も二人とは、初対面の時からすぐに仲良くなりました。
私の少年時代を見晴君(伊藤君)が演じてくれたわけですが、彼のほうが私なんかより、
ずっとタフで精悍で勇気があります。
二人の少年役を含めて、スタッフは埼玉県の一戸建て住宅に夏のあいだ合宿しました。
昼間は熱い太陽の下を動き回り、夜は打ち合わせや疲労回復に努める日々でした。
夕食や風呂の後、その日に撮影したラッシュを見たり、ビールを飲んだり・・・。
そんな中で、なにか特別な夏を与えられているかのような伊藤君(見晴役)と内山君(アキラ役)が、
とても羨ましく感じられました。できたら私ももう一度、あの輝かしい夏を体験してみたい...と。
『科学の進歩が著しい今日こそ、心豊かな夢やロマン
を掘り起こし、21世紀に向けて感性豊かな暮らしを想
像する』という目的のもと、今年で第9回を迎える。
『鉄塔 武蔵野線』は本受賞作では初の劇場映画化。
過去の受賞者に、
第1回受賞作「後宮小説」の酒見賢一氏
(日本テレビ系にてアニメ化、0.A時タイトルは
「雲のように風のように」)
第2回優秀賞「楽園」の鈴木光司氏
(日本テレビ系にてアニメ化、0.A時タイトルは
「満ちてくるときのむこうに」鈴木氏はこれをきっかけ
に「リング」「らせん」等ヒット作を発表。)
第3回大賞受賞作「バルタザールの遍歴」の佐藤亜紀氏
など。
現在の選考委員は
荒俣宏氏(作家)、安野光雅氏(画家・絵本作家)、
井上ひさし氏(作家)、椎名誠氏(作家)、
矢川澄子氏(作家・詩人)の5名。
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